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「ふんふんふ〜ん♪」
「お兄ちゃんご機嫌だね」
「分かるか? ゆたか分かるか?」
そりゃそうだ、明日はかがみとデート、これほど楽しみなものはない。
今まで友達として付き合ってきたんだから、かがみのことは分かってるつもりだったけど、
デートを重ねるに連れてかがみは今までにない表情を見せてくれる。
その1つ1つがどれも魅力的でオレを惹き付けてくる。
「浮かれてるね」
「なんだよ?」
冷や水を掛けるかのような棘タップリのこなたの言葉に眉が動く。
だけどこなたは怯む様子をみせるどころか、肩を竦める。
「いや〜随分ゆるゆるのかばかばになったもんだと思ってさ〜」
「それはお前の望んでたもんじゃないのか?」
こなたはオレがこの世界に来てからずっと、色々な手段を使ってオレをユル〜クしようとしてきた。
時には腹が立つこともあったけど、それがきっかけでかがみという何よりも大切な人を見つけることが出来た。
そしてオレは以前では考えられないくらいに、穏やかな心で日々を送っている。
「なんていうのかなーちょっと違うんだよね、ゆる〜いというよりは骨抜き?
スパロボで言うやっちまった改造、長所が消えて短所が伸びたみたいな」
「訳わからん」
「早い話シンが良かったとこ総消え」
「こなーたー」
ガシッ
オレはこなたの頭に手をのせる。
と、前のオレだったらこなたにお仕置きをするところだけど、今は違う。
「二次元にしか興味ないあんたには分からないだろうけどな、オレの今の気持ちがさ」
こなたはオレ達が付き合って、自分が構ってもらえないから拗ねているんだろう。
気持ちは分からなくはないけど、もう少し祝いの気持ちをもってくれてもいい。
「そうだ、お前も彼氏つくったらいいんだよ」
そうすればこなたもオレの今の気持ちが理解できるはずだし、こなたもさびしくならない。
こなたは背と性格は変わったところはあるけど、充分に女の子として可愛げがあると思う。
「ねっ? 言った通りでしょ?」
だけどこなたは呆れた様子でゆたかに尋ね、ゆたかはそれに微妙な笑みで返した。