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「あっ、いたいた。シ〜ン」
こなたの手の振る方を見ると、一人の少年が立っていた。
どうやらあの少年が助っ人…って、ええー!?
こ、こなたが男子を呼んでくるなんて………。
ま、まさか、か、彼氏ーっ!? いやいやいやいや、兄弟って可能性も…でもそんな話、聞いた事ないし………。
私は頭で色々な可能性を検討しながら少年を見る。
背丈は男子からするとやや小柄だけど、私達と同年代っぽいし、特徴といえばその鋭い目付きそして赤い瞳。
そこにはこなたに急に呼び出されたからか、怒りと、そして何故か分からないけど哀しみみたいなのが宿っていた。
そして何より私を驚かせたのは雰囲気だ。少年の雰囲気は同年代の男子から感じるのとはまるで違う、刃物の様に突きつけてくる感じた。
「何ジロジロ見てんだよ! アンタ!?」
「えっ、あっ、ご、ごめんなさい………」
少年の剣幕に私は思わず謝ってしまった。
「こら、シン! いきなり噛み付かない! ごめんね、かがみ」
「……あ、うん、大丈夫………」
少し驚いたものの私はなんとかこなたに返事を返す。
「シン、紹介するね。この子は柊かがみ、わたしの友達だよ。
でっこっちがシン・アス…じゃなくて…アスカ・シン。今は訳あってわたしの家に居候中」
ん? 今、居候中って言った? ……って事は………。
「ちょっと、こなた」
私はこなたの袖を引っ張りこっちに引き寄せる。
「ちょ、なにさ、かがみ?」
「私はジャマみたいだから、帰っていい?」
私は小声でこなたに話す。
実際デートのだしにされるのはごめんだし………。
でもまさか、こなたに抜け駆けされるとはね〜。
「ジャマ? ……ああ、違う違う。わたしとシンはそんな関係じゃないよ」
「じゃあ、なんであんたん家に居候してんのよ?」
「言ったでしょ? 訳ありって」
「訳って何よ?」
「それを知るにはまだまだフラグが足りないよ〜」
そう言って人差し指を振るこなた…また意味不明な事を………。
「おい、行くんだろ!?」
私達のひそひそ話に業を煮やしたのか、少年は少し怒った声で聞いてくる。
「ああ、ごめんごめん。でもその前に挨拶しなきゃ、ね☆」
そう言うとこなたは私と少年を近付かせる。
「……えーと、柊かがみよ。よろしくね、アスカ君」
「まあ、短い付き合いだけどな」
こっちの顔もみずに興味なく言う少年。
何よその態度!? ハラ立つー!!!
「ん? 電車が来るみたいだな。行くぞこなた、かがみ」
私が怒ってるのに気付く事無く、少年はホームへと歩き出した。
っていきなり初対面相手に呼び捨て!?
ホントに何なのよーこいつは!!!?
それが、私とシン・アスカとの出会いだった………。