4
「よくやるな………」
「ほんと………」
両手にアニメグッズが入った袋を持たされたオレの疲れきった呟きに、同じく荷物を両手に持たされた柊かがみが疲れきった顔で頷いた。
恐らくこなたはオレ達の前にそびえる建物内で、嬉々としてアニメグッズを狩っている事だろう。
クソー! 何でオレが見ず知らずのヤツと…こなたのヤツ、覚えてろよ!!
「ねえ、アスカ君」
「……なんだよ?」
待ちくたびれたのか、ここまで駅から1度もオレに話しかけてこなかった柊かがみが話し掛けてきた。
「こなたとはどういう関係? 親戚?」
「…………」
「アスカ君って学校に通うの?」
「…………」
「前はどこに住んでたの? 海外?」
「……そんなの聞いてどうするんだよ?」
「えっ? ……そ、その…ど、どうするって………」
オレの質問に柊かがみはしどろもどろになった。
「興味本位だけで人のことあれこれ聞くなよ!!」
「ご、ごめん………」
オレが睨みつけると柊かがみは下を向いてに謝ってくる。
そもそも人には話したくない部分がある、それを聞くんだったらそれなりの覚悟を持つべきだ、
すぐに謝るくらいならわざわざ聞いてくるなよ、オレは心の中で舌打ちをする。
まあアイツからしたら時間潰しに話しかけて来てるんだろうが、時間を潰されるほうはたまったもんじゃない。
そもそもオレは見ず知らずのヤツと無駄な話をする気は無い、ましてやこれっきりのヤツとならなおさらだ。
だからオレは柊かがみを無視して人がごった返す道のほうに視線を向けた。