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濡れネズミとなったオレ達が家に着いたのは走ってから10分以上経っていた。
雨の中でのとかがみの手を引っ張っりながら来たのでここらへんは仕方ない。
それよりもかがみは意外と風邪を引きやすいから、早くなんとかしてやらないと………。
「かがみ先にシャワー入れ」
「えっ、でも………」
やはり家主より先に入るのはためらいがあるのか、かがみはオレの言葉に戸惑いを見せる。
「心配するな、オレは風邪引かないって知ってるだろ? それに部屋を片付けないといけないしな」
オレはかがみに笑ってみせる。本当は部屋なんて片付けるほどちらかっていない、
でも何かしらの理由を付けないとかがみは納得して先に入ってはくれないだろう。
「……分かったわ、じ、じゃあ先に入るわね」
この時点で気付いていなかった、オレは着々とフラグを回収していることに………。
かがみがシャワーを浴びてる間にオレがしなければならない事は、かがみの着替えを用意する事だけど………。
「さて、どうするか………」
クローゼットの中を覗いて見ても、当然かがみの服は入っていない。
女物の服といえばバイトで使ってるメイド服があるが、これを用意したらかがみがキレそうな気がするのでこれは却下。
後のは服はサイズが合わない
当然、濡れたままの服などは論外。そうすると残りは………。
「……これしかないか」
オレは運動用のジャージを手に持つ、これならかがみも文句は言わないはずだ。
まあ、今後はこういう事も考えて替えの服をオレの家に置く事をかがみに提案するか。