なんでこうなったんだろう?



 ベッドに体を投げ出し、私は考える。

 つい半日前まではシンと他愛なくも楽しいデートを楽しんでいたはずなのに………



「うっ…ひっく………」

 視界がぼやける。

 目から流れるものを拭う気力もない。



 分かってる、悪いのは私自身だ

 シンは大切なものを守るのに誇りを持っている。

 私はそれを利用しただけでなく、無闇に傷を付けた。

 シンが怒るのも当然、身勝手だ、私は



 なんであの時私は他のゲームを選択しなかったのか。

 なんであの時私は怒りに任せて行動してしまったのか。



 後悔ばっかりが押し寄せてくる。

 シンは失望しただろう。

 自分が大切と思っていたものは、こんな女だったのかと。



「謝ろう」

 私の勝手な行動を。

 シンの誇りに傷付けた行動を。



 謝っても許される問題でない事は分かってる。

 こんなの自己満足でしかない。

 でも、今の私にはそれしか出来ない。

 それしか、シンと一緒にいられる方法が思いつかない



 私は携帯を握ると電話を掛ける。

 そしてコール音もせずに電話越しに声が聞こえてきた。



『この電話は現在電波の届かないところか、電源が切れており――』



 なんで? なんで?



 様々な可能性が浮かんでは消えていく。

 シンの事だから私の行動を予測できるはず。

 それなのに電源を落としている。

 その答えは一つだけ。



 私と話をしたくないという事。



「うわぁぁぁぁ! わぁぁぁぁぁ―――」



 私は糸が切れたかのように泣き出した。





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