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「しかしなんでだろうな? れいは?」
「れいに聞いたら、女の子の言う事が子供すぎるんだって
まだ女の子に興味がないんじゃない?」
私はシンが差し出してくれる蜜柑を口に入れながら推論を口にする。
れいの年齢ならまだまだそういうのに興味がないのは無理がないともいえる。
「そんなもんかな〜
そういや、つかさは今日来るんだっけ?」
自分の場合と照らし合わせてるのか、シンはそれなりに納得した様子で次の話題に移る。
「うん、おせちとお酒を持ってくるって」
毎年つかさは私達のところに正月の用意を持って来てくれる。
本当は自分達で作らなきゃいけないんだけど、私もシンも忙しい事があって、なんだかんだと毎年つかさに任せてしまっている
それだけではない。私もシンもなるべく夕飯はれいと一緒に食べる事を心掛けているんだけど、
どうしても無理な時はつかさに頼んで、れいと一緒に食べてもらっている。
という訳で私達夫婦はつかさに頼りぱっなしなのである
しかも日頃のお礼にと言えば
『お姉ちゃんもシンちゃんも、れいくんも私の大事な家族だから気にしないで。私は好きでやってるんだから』
と笑顔で返されてしまう。
まったく姉の面目丸つぶれである
ただ、そんなつかさを私は誇らしく感じていた。
ピーンポーン♪
噂をすればなんとやら、我が家の恩人が来たようである。
私とシンは顔を見合わせると同時に玄関に向う。
「お姉ちゃん、シンちゃん、来たよー」
「わざわざ――」
つかさを出迎える私の言葉を遮り、二階から何かがもの凄い速さで降りて来た。