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学校の帰り道にあるファーストフード店。その一角に私とつかさとみゆきの三人が座っていた。そして………。
「二次元にはよくあるラブレターに名前を書き忘れた椰子がいるのはここですか?」
遅れて店に入って来たこなたが、席に着いて開口一番に言ったのがこの言葉だった。
「うっさい」
私はジュースに口を付けながらこなたを睨みつける。
「だいたい今日学校サボったあんたがなんで知ってるのよ?」
あいつの話だとこなたはゲームを買いに朝早く出かけたらしい。その証拠に一人だけ制服ではなく、私服だ。
だから手紙の事を知ってるはずが………。
私は思い当たる事があって、自分の片割れを見る。
するとその片割れは両手を重ねて頭を下げていた。
「つ・か・さ〜」
「ご、ご、ご、ごめんなさ〜い! で、で、でもね、ほら、こなちゃんから何か良いアドバイスが聞けるかも、ね?」
「つかさ無茶振り過ぎ! だいたい一世一代のイベントでそんなダイナミックボケするのは想定外だよ」
「うっ………」
悔しいけど、今回ばかりは何も言い返せない。
「かがみさん、私がシンさんに話しておきましょうか?」
「ありがと、でもそれはダメ」
「かがみさん………」
みゆきの提案にお礼を言いつつ、私はきっぱりと断る。
みゆきもあいつの事が好きな事は当然私も知っている。それなのに私の想いのためだけにみゆきにそんなつらい事を頼めるわけがない。
ましてや告白は自分でやらなければ意味がないのだ。
「じゃどうすんのかがみ? このままなかったことにする?」
確かに名前を書いてないのだし、このままあの手紙をなかった事にすればあいつとは今まで通りの友達以上恋人未満の関係だ…でも………。
「行くわよ…明日…予定通り………」
それでも自分の気持ちを欺くようなことはしたくない。
「そっか……でもかがみ、シンが来なくても落ち込んだらダメだよ。シンはかがみがラブレターを出したって知らないんだから」
こなたの言葉につかさとみゆきも頷く。
「うん………」
自分は本当にダメな人間だ、いつも強がって、この三人に励まされてる。
この三人がいなかったら、あいつのことは諦めていたかもしれない。
今までありがとう。
この言葉が出そうになるのをジュースと共に飲み込む。
この言葉は明日の卒業式に言おう。
あいつが来ようと来まいと。