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「つかさ、今何時?」
「えーっと…八時半……いつもの登校時間だよ」
その答えに私は目眩を覚える。
昨日手紙に名前を入れ忘れた事に気付いた私は、つかさと話し合い、
朝早くに登校して、名前をちゃんと打ってある手紙とあいつの靴箱に入ってる手紙を交換する計画を建てた。
計画が上手くいけば、後は卒業式の日を待つだけだった。そう上手くいけば………。
しかし寝坊してしまったのだ。
つかさではなく私が。
理由は自分のやった事への恥ずかしさで中々寝られなかったためだ。
つかさが起こしに来なければ、私はまだベッドの中にいたかもしれない………。
しかし、まだ計画は失敗していない!
確かに予定よりも大幅に時間は遅れたけど、まだいつもの登校時間。
この時間にあいつが来てる確率は五分五分。まだ希望はある!
「お姉ちゃん、あれ………」
しかし、そんな私の淡い願いもつかさの指先に打ち砕かれる。
「……シンよね………」
「……うん」
私の呟きに、つかさが申し訳なさそうに頷く。
しかもあいつ手紙見てるし………。
「お姉ちゃん、どうする?」
「ど、どうするって………」
今からあいつの前に行って、『ごめん、それ名前書いてないから、これ』なんての言えるわけがない!
そんなのが簡単に言えたら、とっくに告白してるし! というかただのバカな女じゃないの!!
「どうしようもないわよ………」
「……だよね………」
私は仕方なくあいつにいつも通りに声を掛けた。
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