12


 オレは今まで何も守れなかった。

 妹も海でであった少女の時もオレは何も出来なかった。そして守ると決めた女性にも錯乱したオレは彼女に銃を向けた。

 目の前の少女と話してる時そんなことが頭を過ぎった。

 そんなオレがかがみを守れることが出来るわけがない。



 そう、守れるわけが――



「守れてたわよ、あんたは」

「えっ?」

 かがみの言葉にオレは顔を上げる。

「私も、つかさも、こなたも、みゆきもあんたにちゃんと守ってもらった、だから自信を持って」

 かがみは両方の手でオレの右手を優しく握る。

「……いいのか、オレで?」

 オレが聞くとかがみは呆れるように溜め息をつく。

「あのねーそもそもあんたのいた世界じゃないんだし、そんなに過保護みたいに私を守らなくてもいいの!」

 かがみはそう言ってオレを睨みつけてから、ニッコリと微笑む。



「本当に困った時だけ私を助けてよ。今まで見たいに、私も本当に困ったときだけあんたを助けるから」

「……かがみ」

「待った」

 抱きしめようとするオレをかがみが手で制す。

「な、なんだよ?」

 さすがにここで止めるのは、いくらなんでも空気が読めなさ過ぎる。

「わ、私が、い、言ってないでしょ?ま、まだ、あんたの事を………」

 オレはかがみの言葉に絶句した。





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