「わっ、こ、こら、馬鹿!?」

「かがみ、人にしてもらったらお礼が肝心だぞ?」

「スイカ切ったでしょうが!?」

「ちょ、おまっ! 旧型テレビを最新テレビ並みにするのにどんだけの手間かかると思ってんだよ!?」

「そ、それは………、って、ば、ばか! ど、どこ触って、や、やめ、あんっ!

 ま、まだ、待って! せ、せめて、エアコンを付け、ど、どこに息を、ひゃう! ………」

「そんなの待ってられないね」

「も、もう、う、ううん………! あ、あんたって人はー!」

 このままいけば間違いなく、恋人同士の戯れが始まるはずだった。

 しかし、嫉妬からか文字通り運命の女神が悪戯をする。

 落とした時のショックか、はたまた私達のどっちかが踏んだのかは分からないけど、絶妙のタイミングでチャンネルが切り替わる。

 いや、この場合は最悪のタイミングといった方が的確かもしれない。





『キミは死なない!』



 テレビから流れてきたのは。私達のよく知ってる声だった



 私達は視線のみをテレビへと向ける。



『キミはオレがっ!!』



 そこには一つのアニメがやっていた。

 私はロボットが出てくるアニメはよく知らないが、それでもそれは私の知ってるものだった。



『オレが守るからーっ!!!』



 私の上にいる人と全く同じ姿と声の人物が、テレビの中で必死になって叫んでいた。





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