かなり遅めの昼食を取って店を出た時は、もう夕方といってもいいくらいの時間になっていた。

「どうする?」

「どうしよ?」

 疲れた声のオレにこれまた疲れた声でかがみが聞き返してくる。

 さすがに今日は色々と精神的にも肉体的にもキツイ、でもしたのといえば一緒に飯を食っただけというのがまた泣ける。

 まあ、オレよりもかがみの方がショックは大きいみたいだけどな



「なんか今日はどこ行っても駄目っぽい………」

 珍しくネガティブなかがみに思わず苦笑が出る。

 こんなかがみは滅多に見られるもんじゃない

 得した気にはなるけど、それでもこんな顔のかがみをあまり見たくはない

 とはいえどこに行くにも時間が中途半端なのは確かだ。



「じゃあ、予定よりちょっと早いけど行くか?」

 オレの提案にかがみは少し考え、頷く。



「まあ仕方ない、か」

 溜め息混じりに呟くかがみだけど、その表情に少しだけ生気が戻る。

 なんてたって今日のデートの本当の目的はそこなんだからな



 しかし今日は本当についてなかった

 こういう時の場合に備えて次回はプランBも用意しておく必要があるな





「ねえ」

「ん?」

「もし、そこに行って、またついてないことが起こったら?」

「そんなのオレがなぎ払ってやるさ」

 オレの素直な答えにかがみはもう1度溜め息を付く。



「不幸に好かれてるあんたが?」

「うっ………」

 誰も好き好んで不幸を寄せ付けてない!

 単に不幸が一方的にオレに近付いてきてるだけだ!



「じゃあ何も起きなかったら、なんかご褒美な」

「はあ? なんでそうなるのよ?」

「おまっ………、空気読めないよな〜」

「あんたにだけは言われたくないわよ!」

 かがみが笑いながらオレを軽く小突く。

 そんな様子からかがみが今日のデートを口で言ってるほど、悪いとは思ってないことが分かる。

 理由は、まあオレと同じなんだろ





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