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高校の卒業式から数日が経ち、普通ならそろそろ卒業の余韻も覚めてくる頃のはずだが、私は興奮していた。
もちろん、卒業とは関係のない事で。
「うん、間違いなく明日よね」
私はカレンダーを何度となく見る。
今日だけで何度カレンダーの赤い丸がついた日付をチェックした事だろう。
「かがみ、いよいよ明日ね〜」
「シン君とどこまで行く予定?」
「どこまでって?」
姉である、いのり、まつりの両姉さんがからかいの笑顔をつくり私に聞いてくる。
「どこって…それはシンが任せろって言ったから、私はどこに行くかは知らないけど………」
そう、明日は私とシンが付き合って、初めてのデートなのだ。
「違うわよー」
まつり姉さんがひらひらと手を振る。
「キス? それとも初デートでお泊まり?」
まつり姉さんの言葉を付け加えるように、いのり姉さんが聞いて来る…って………。
「き、き、き、き、き、キスー!? お、お、お、お、お、お泊まりー!?
あ、あ、あ、あ、ありえないわよー!!!」
「うわぁ、かがみ真っ赤」
「じゃあかがみは今日どこまでシン君といく予定なの?」
「えっ、えーと………」
いのり姉さんの質問に私は考え込む。
そりゃ、やっぱり恋人同士だし………。
「……て、手を繋いで一緒に歩く、かな………?」