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「包丁、包丁〜どれにするかな?」
オレは置いてある包丁達を見比べる。かがみの持ってきたケーキのサイズを俺は知らない。
そして幸か不幸かオレの趣味が料理のため、オレの家には大小様々な包丁がある。そのためどのサイズの包丁を持っていくべきか………。
「それにしてもかがみ…絵に描いたようなヤキモチだったよな」
さっきのかがみの様子を思い出してオレは思わず口元が緩む。
傍目から見ると刃物を見てニヤついてる危ないヤツ、かもしれないが、ここはオレの家、そして今はオレ1人なので何も問題はない。
泥沼の修羅場は勘弁したいが、あの程度のものだったら大歓迎だ。
益々かがみが可愛く思えるし、オレの事をあんなに想ってくれての態度と思えば微笑ましくすらある。
そしてそれをからかえば、かがみはますます可愛い返し方をしてくる。
まあ、あんまりからかいすぎると本気で怒るので、バランスが大切だけど。
そしてそのバランスが分かるのはオレしかない、と勝手に自負している。
そんな事より、いい加減に包丁を持っていかないとな。
「『フラッシュエッジ2』でいいか」
オレはサイズ的には一般用のより少し小さい包丁を選んでかがみの元へと戻った。