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まさかお母さんの手紙があんな内容のだったなんて………、完全に油断してた………。
もう! 恥ずかしくてシンの顔見れないわよー!! どうしてくれるのよ、この雰囲気!?
まだこの雰囲気は早いって…これからシンの誕生日を祝って、それで段階を踏んでいかないと………。
「あ〜芸能ニュースやってる〜」
わざとらしさ100%の声で私はテレビを見る。
そしてシンの方は私が日頃ワイドショーなんてものを見ないのを知ってるから、笑いを噛み殺していた。
く〜覚えてなさいよ!!
『今回ドラマ初主演の小神あきらさんにインタビューしたいと思います』
『いや〜ついにわたしの時代が来たって言うんですか?』
『はい、来た感じがしますね。それでこのドラマの見所を是非お願いします』
『そうですね〜………』
「あきらも凄くなったよな〜。ついに主演か」
シンは感慨深げに呟く。
シンの話では小神あきらとはどこで知り合ったか知らないけど友達らしく、今でも時々メールをしているらしい。
「あきらはますます可愛くなってきてるし、これを気に益々ブレイクするかもな〜」
むかっ
ぷつん
「あー!? 何するんだよ!? まだインタビューの途中だろうが!!」
「うっさいわね! 会えもしない芸能人に鼻伸ばしてるんじゃないわよ!! バッカじゃないの!?
ケーキ切るから早く包丁持ってきなさいよ!!」
「はい、はい」
私の剣幕にシンは軽く肩を竦めて台所に向った。