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「お気をつけて」
「またどうぞ」
わたしとお姉ちゃんがお守りを買ってくれた人に頭を下げる。
そんなに大きくない神社だから、敷地内にいる人はわたしでも覚えれる。
多分今の人で遠くからの人は最後。後の人はみんな近所の人。
「もう終わりかしらね?」
「うん」
時間は四時を少し過ぎたところ。明日が平日だからお姉ちゃんが言った通り、もう人は来ないと思う。
でも一応、暗くなるまで空けとかなくちゃだめなんだよ
「お姉ちゃん、お茶入れる?」
「そうね、誰か来たら分かるし」
わたしたちは席を立つと休憩場所の縁側に移動する。
一応神主のお父さんにはメールを打ってそれを伝える。
前それをしなくって、姿が見えなくなったのを心配したお父さんがわたしたちの携帯にかけてきたから。
「ふぁ」
お姉ちゃんが小さなあくびをする。
今日はもう何度もしている。お姉ちゃんにしては珍しい。
きっと昨日は遅くまで受験勉強してたんだよ。お姉ちゃんは頑張り屋さんだから。
でも頑張りすぎはよくないよ
「はい、ど〜ぞ」
「………うん」
頷いたけど、うつらうつらしてるようにも見えるお姉ちゃん。
うん、やっぱり休んでもらおう!
わたしはそう決めると、改めて座り直してぽんぽんと膝を叩く。
「……でも」
わたしのやろうとしたことを分かって、お姉ちゃんは戸惑う。
「大丈夫だよ、もう誰もこないよ
それに体調壊しちゃったら心配するよ、シンちゃんが」
ちょっとこれはズルイかな?
「う〜」
やっぱり恨めしそうにこっちをみるお姉ちゃん。
でも本当のことだもん
「……分かったわよ」
お姉ちゃんはため息を一つして、わたしの膝に頭を乗せる。
「でも、何かあったら必ず起こすのよ、いい!?」
「は〜い、お休みなさい」
「お休み」
そしてお姉ちゃんはそっと目を閉じた。