そして当日、わたしとお姉ちゃん、そしてあの人は都内に来ていたの。

「これいいわね〜」

「生憎だけど、無理だからな」

「まだ何も言ってないじゃない」

「買って欲しいオーラを出してるぞ」

「うっ! ……そんなの出てる?」

 仲睦まじく話す、お姉ちゃんとあの人。

 最近あの人は前以上にお姉ちゃんに心開いてる気がする…ううん、気がするんじゃなくて、心を開いてる。

 二人をずっと見てたわたしには分かるの…どんなことが二人の間であったかは分からないけど………。

 でも分かることがあるの、それはお姉ちゃんがわたしのずっと先を行ってるということ。



 やっぱりわたしじゃお姉ちゃんに勝てるわけなかったんだ………

 あの人とお姉ちゃんは凄く楽しそうだし、きっと周りの人も二人を恋人同士って思ってるよね………

 そしてわたしは二人のお邪魔虫、だよね………。

 今日はなるべく―――

「ひゃう!?」

 突然頬に冷たい物が当たり、わたしは声を上げる。

「どうしたんだよ、さっきから?」

「ほんと、下ばっか向いてるわよ?」

「えっ!? ううん、なんでもないよ〜!」

 ごまかしのために手を振るわたし。

 駄目だよ…また二人の邪魔してるよ………。

「何か知らないけど、ほら、これ飲んで元気出せ!」



 あの人が渡してくれたのは、さっきわたしの頬に当てたメロンソーダだったの。

「遠慮する事ないわよ、おごりだし」

「オレのな。

 どうして自分で出したかのように―――」

 二人の会話を聞きながら飲んだメロンソーダはとっても苦かったの………。





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