「それはそれは、素晴らしい作戦で」

 お姉ちゃんが投げやりにこなちゃんを讃える。

 わたしはというと、あまりのこなちゃんの作戦の完ぺきさに言葉が出なかったの。



「ぬぅかがみ、バカにしてるな?

 これは最近、何かとクローズアップされてる三国志のかの有名な………

 人が使った作戦だというのに!」

「あんた今、その有名な人の名前を忘れただろ?」

「曹操ですね。

 これは当時曹操にとって敵対関係にあった、劉備と呂布を………。

 そんな事より、かがみさん大丈夫なのですか?」

 いつもの詳しい解説を省いてまで、ゆきちゃんが心配そうにお姉ちゃんを見る。

 お姉ちゃんはゆきちゃんの言葉ににゃっと笑う。



「大丈夫! その作戦はこなたが言ったのとは違う結果もあるからね!」

「なにそれ?」

「私とつかさの両方ともシンとの仲を発展させて、この戦いに頭一つ抜けるという結果がね!」

「し、しまったぁぁぁぁぁ!! その結果は全く考えてなかったー!!」

 頭を抱え込むこなちゃん。



 ……でも、お姉ちゃんが言ったみたいにできるのかな?

 お姉ちゃんはあの人と仲良くなる自信があるみたいだけど、わたしにはそんな自信なんてないよ………



「てなわけだから、つかさ! やるわよ!」

「……えっ? ……あっ…う、うん………」

「ん? つかさどうし―――」

「おーい、ケーキ持って来たぞードア開けてくれー」

 お姉ちゃんがわたしに話しかける前に、あの人が戻って来たから、それでこの事はうやむやになったの。

 その後はみんなで楽しい誕生日パーティを楽しんだんだよ♪



 でもわたしの心の中の不安は消えなかったの………。





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