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「そして残った方は後悔するんだ! もっと自分が上手くやっていたらこんな事にはならなかったってな!!!」
そうだ、勝手にアイツは罪滅ぼしだとかいってオレの意見も聞かずにアイツは―――
「シンちゃん………?」
「あっ…悪い………」
つかさの呼びかけでオレは我に返る。
なんでつかさの相談に乗ってるのにオレはつかさに怒りをぶつけてるんだ…最低だな………
「……ありがとう、シンちゃん」
「えっ?」
「わたしも本当はその人にそんなことしてほしくなかったの。でも、その人のやることはいつも正しくて、
わたしのやることはいつも間違ってるから…でも今のシンちゃんの言葉を聞いてわたし決めれたよ
わたし後悔したくないもん!!!」
つかさの目はさっきまでと違い、強い光が宿っていた。
いつも柔らかな表情のつかさがこんなにも真剣になるなんて、それだけつかさにとっては大事な人なんだろう。
「わたし行くね!」
そう言うやいなや、つかさは鞄を持って立ち上がり、教室を出ようとして何故かつかさは入り口の前で立ち止まる。
「シンちゃんは最低じゃないよ。わたしの相談を真剣に聞いてくれたんだもん!!
本当にありがとう!!!」
そしてつかさは普段からは想像も出来ない素早さで教室を出て行った。
つかさに心の中を読まれた!? つかさはそんなにカンがするどい方じゃないはずなんだけど………
女はやはりすべからく男の考えが分かるらしい。
オレはつかさの出て行った場所を見ながら、そんな事を実感した。