『日下部達に捕まったから、昼休みはそっちに行けないからよろしく!

 シンにお弁当でも挙げたら?アピールチャンスよ(笑)

 追伸.放課後も一緒に帰れないから憧れの彼と帰りなさい』



 お姉ちゃんのメールが来たのは四時間目の授業中だった。

 さすがお姉ちゃん、わたしの好きな人分かちゃったんだ…でもアピールだなんてそんなのいきなり出来ないよ〜

「柊どうした? 顔が赤いぞ、ふゆきのところに行くか?」

「い、いえ大丈夫ですー!!」

 わたしは尋ねてきた桜庭先生に首が飛ぶかと思うくらいに、強く横に振った。





「かがみさんはいらっしゃらないのですか?」

「う、うん、クラスの人たちと一緒に食べるって………」

「大変だな友達が多いと。かがみは面倒見良さそうだしな、誰かと違って」

「失敬な! シンだって社交性ゼロなくせに!

 まあ、かがみ的にはとても残念だと思うけどね〜」

「どうして?」

 わたしの質問になぜかこなちゃんはあの人の方をちらっと見てから声を潜める。

「そりゃあ愛するシンと会えなくなるからね、わたしもフラグゲットが見れなくて残念だよ〜」

「……えっ? どういうこと?」

「かがみがシンに対するアプローチ、好きなくせにわざとそっけない態度をとる!

 これこそツンデレのテンプレだよね〜そこが―――」



 からん



 こなちゃんがまだ何か続きをしゃべってたけど、わたしの耳には入ってこなかった。

 お姉ちゃんがあの人を………、だったらなんでわたしのことを応援してくれるの………?



 まさかお姉ちゃん………

 わたしは落としたお箸をしばらく拾うことが出来なかったの………。





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