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つかさが好きになった人物は間違いなくあいつだ。それは朝のつかさの態度を見れば一目瞭然。
つかさが誰を好きになるかはつかさの自由だから、私があれこれ言うつもりはない。
私に出来る事はつかさの相談に乗ってあげて、応援するだけ…そう思っていた。
私は学校の屋上で寝転がって、空を見上げていた。
女子の私がこんな事をしていても、誰も注目しない。それも当然、今は本当は授業中なのだから。
普段私は授業をさぼることはしない、だけど、今は授業の内容が頭に入る事はないと確信出来る。
今、私の頭の中はぐちゃぐちゃになっているから…その理由は………
「まさか、同じ人を好きになるなんてね〜…なんで同じ人を好きになるの? ……私はどうしたらいいの?………」
私の呟きに返してくれる者はいない。
だけど私の呟きは続く。
「私だって好きでつかさと同じ人を好きになったんじゃないわよ…そもそも私の方が先だったんだし………」
早い遅いはあいつに告白してないんだし意味はない、そんなことは分かっている。
言い訳をしても意味はない、そんなことは分かっている。
「……私…どうしたらいいの………?」
その呟きにも返してくれる者はいない。
……何を迷ってんだ私は…つかさは大切な妹、それこそ生まれた時からずっと一緒だった。
つかさの幸せは私の幸せ、迷うことなんてない。
「よーし! 姉としてここは一肌脱いであげようじゃない!」
そう言うと私は立ち上がる。
自分の心に嘘をついて