「ふぁぁ〜眠たいよ〜」

「何? あの後寝たんじゃないの?」

「えへへ…寝ようとしたんだけど、あの人のことを考えちゃって………」

 私の答えを聞いてお姉ちゃんは溜め息を吐く。

 だ、だって仕方ないよ〜目を瞑ったらあの人が出てきて、笑いかけて来るんだもん〜



「そんな調子じゃ体持たないわよ」

「あう〜」

「おはよ〜つかさ〜かがみ〜」

「ういっす」

 こなちゃんに続いて、あの人が軽く手を上げながらわたしたちに挨拶をしてくる。

 ど、どうしよう…ほ、本当にあの人が好きって分かっちゃったから、恥ずかしくてあの人の顔が見れないよ〜

「おはよ、相変わらず凄い顔ね、あんた」

「で、で、でも、シンちゃんはそんな顔でも、い、いいと思うよ………」

 わたしの言葉にお姉ちゃんとあの人は顔を見合わせる…いいなぁー。

「……つかさ、かがみが言ってるのはオレじゃなくてこなたのことだと思うぞ」

「えっ? ……ふぇ? シンちゃんごめ〜ん!」

 あの人の声は完全に呆れ声。ど、どうしよう!? あの人に嫌われちゃうよ………。

「そこがつかさの良いところだよ〜いわゆる天然!」

「……まあそうだな」

 こなちゃんのフォローにあの人は笑ってわたしの頭をなでてくれた。

 よ、よかった〜嫌われてないみたい



「取りあえず学校行こ。わたしは机で早く寝たいよ」

「学校に寝に行くな!!」

 お姉ちゃんが鞄でこなちゃんの頭を軽くはたいて歩き出す。

 そんないつもの日常の光景にわたしは思わずあの人の方を見る、その時にあの人もわたしの方を見ていた。

 わたしが微笑むと、あの人も微笑んだ。

 やったー! 目を合わせれた!



 そんなわたしをお姉ちゃんは肩越しに見る、それは何かを考えてるみたいだったの



 いつもと一緒だけど、わたし、ううん、わたしたちの関係が少し変わった日



 ここからが始まりだった





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