泉先輩が何を企んでるかは依然として分からないっスけど、あれを見られたら、ワタシ



 殺される!!



「それでね、この本の真ん中よりちょい後ろかな、みんな見て見て♪」

「ちょっ! ――!?」

 止めようとするワタシを泉先輩が押さえつける。

 もがきはするものの、一向に抜け出せない

 そ、そんな!? いくらワタシが運動苦手な腐女子とはいえ、体格が一回り違う泉先輩を引き離せないとは………



「忘れてた? わたしも『格闘技』できるのよ♪」

「くっ〜!」

 忘れていた、というよりかは失念、一生の不覚!!

 なことをしている間にも、先輩達は同人誌をめくっていく



「な、な、な、な、なによこれー!?」

 四人の中で感情の起伏が一番激しいかがみ先輩が絶叫する。その顔はとてつもなく赤い。

 もっともそれが怒りからくるものでないと分かるのは、つかさ先輩と高良先輩の顔も同等以上に赤くなっていたから、

ではなく、どんな内容かをワタシがよく知ってたから



「な、何よこれは!?」

「い、いや〜オリジナルもんの短編っスよ〜、日頃お世話になってるところだから、ちょっと多く四本寄贈しただけっス」

 ワタシは視線を逸らしつつ、追求を交わす。というか目が合ったらホントに殺される



「だ、だって、どれも、そ、その恋人同士で、それでキスまでしちゃって………」

「大丈夫ッす! 分類的には健全本ですから!」

 ガンバレ、ガンバルンダ、ワタシ!



「あ、あの〜、登場人物の姿が、私を含め、よく知ってる方達ばかりの気が………」

「あっ、ま、まあ、みなさん、個性がありますから、ちょっとキャラデザとして参考にさせてもらったっス、はい!」

 ニゲロ、ニゲキルンダ、ワタシ



「とはいえ、男性キャラの名前がそれぞれに 『真』 『進』 『慎』 『神』で、

ヒロインがそれぞれ 『ソナタ』 『司』 『キョウ』 『深雪』 はヒドイ」

「うぐっ!」

 ムリデシタ





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