昼食前の手洗いをすませたオレは、教室前に1人の挙動不信の女の子を見つけた。

 あれは………

「ひより、こんなところで何してるんだよ?」

「うぉうッッ!!!」

「うををッ!?」

 ひよりのリアクションの大きさに思わずこっちも声を上げる

「お、お、驚かせないでくださいよ〜アスカ先輩!」

「それはこっちのセリフだ! どうしたんだ一体?」

「……い、いや、そ、その、あ、あの………」

 なぜかうろたえまくるひより。ふと手元をみるとそこには弁当が………

「なんだ? ゆたか達とケンカでもしたのか?」

「違うッス、そんなんじゃないっスよ〜。だ、だからあの…そ、その〜」

 違う? ということは………なるほど、そういうことか…………



「さては……またオレたちをネタにするために観察に来たんだろ〜」

「へ?…いや…、そ、そうなんですよ〜。い、いや〜さすがアスカ先輩鋭いっスね〜」

 やっぱりか。ヘッ、ザフトレッドの直感力見くびってもらっちゃ困るぜ!

「シ〜ン、遅いよ何してんの?」

 教室の前で話してるオレにシビれをきらしたらしく、こなたが駆け寄ってきた。



「ひよりがネタのために、オレらと昼飯食べたいんらしいんだけど、いいか?」

「ひよりんとは知らない仲じゃないんだし、いいよ〜☆それに…わたしとシンのラブ×2っぷりを作品にしてもらおうよ!」

 そうやって抱き付こうとするこなたの頭を片手で押し止めるオレ。

「ハズカシイことするな!!!」

「イタイ、イタイ!パルマは禁止だよ〜」

 そんなオレたちのやりとりを呆然と見てるひより。

 し、しまった!! ひよりを置いてきぼりにしてる〜! このままじゃまたKYなヤツと思われちまう!!

「ま、まあ冗談はこれくらいにして、昼飯食べようぜひより」

「…あっ、ハイ! おジャマしま〜す」

 よし、自然な流れだ! なんとかKYの称号は受け取らずにすんだみたいだな。

 オレは席に戻りながら胸をなで下ろした。





戻る   別の日常を見る   進める