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心臓が凍りつくというのを経験したのは、いつ以来だろうか?
まさか初対面のヤツに自分の素姓を話されかけるとは思っていなかった。
「ケホっ、な、何するんですか、二人共!?」
オレ達に抗議の声を上げる田村ひより。
そんな声を無視してオレは考える。
一体どこでオレの事を?
オレと一緒でオレのいた世界からきたヤツというわけではなさそうだし…オレの過去を知っているのはこなたを初め数人だが、
そんな事を他人に軽々しく話すような人達ではないのは分かってるし………
「やっぱり、田村さんなら分かるか〜」
「どういうことだよ、それ?」
オレは困った顔をして腕を組むこなたの方を向く。
「シンの世界のことはこっちの世界でもある程度は知ることが出来るんだよ」
「何ーっ、そんなの聞いてないぞ!?」
こなたのいきなりのカミングアウトにオレは目を剥く。
「言ってなかったからね。でも連座とかでおかしいと思わなかった?」
「……いや、てっきりあれはこなたが自作で作った物かと………」
「わたしにそんなこと出来る分けないじゃん」
「そうか? そんなに難しくないぞあのプログラミングは」
「わたしはコーディじゃないって! ゴホッゴホッ!」
興奮しすぎてこなたがが咳を出したのでオレは背中をさすってやる。
「あの〜お二人共ワタシを忘れてません?」
『あっ………』
田村ひよりの言葉にオレ達はそっちの方を向いた。