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「大アリだよ」
オレの心を見透かしたかのようにそう言うと、こなたは顔を近づけてくる。
「い〜い? もしシンが二日連続看病したらゆーちゃんはどう思う?」
「あっ!」
こなたが言わんとする事が分かってオレは小さく声を出す。
恐らく心優しいゆたかはオレの体を心配するだろう。だけどそれはゆたかに余計な気を遣わしてしまう。
例え気にしない様にとオレの事を話したら、ショックを受けて余計病状が悪化するかもしれない。
そんな事になればそれこそ目も当てられない
「分かったかね? すでに君はチェックメイトなのだよ!」
何故か分からないが胸を反らして勝ち誇るこなた。
「分かったよ」
オレは降参の意味で両手を上げる。
「だけど無理は絶対にするなよ。
それと気分が悪くなかったらオレを呼べよ!いいな!」
「分かってるよ♪ それじゃお休み〜」
オレはこなたに追い立てられる様に自分の部屋に入った。
そして翌日―――
「38度か………」
「たはは、いや〜」
オレの言葉にこなたは頭を掻く。
そう。見事にこなたのヤツはゆたかの風邪を貰っていた。
ちなみにゆたかはまだ完治していないが今日1日休めば、明日には登校できるだろう。
「てなわけでシン、コンプお願いね〜」
「知るか!!」
「えー! 今日が発売日なんだよ!」
熱を出してるのにそんな事に頭がいくのは凄いというべきなのか………
「気分が悪くなったらオレを呼べって言ったのにそうしなかったからな、自業自得だ」
「えー! ひどい! 鬼! シスコン! 空気! 人間ミラコロ!」
「だー、黙れ! 大人しく寝てろ!!」
オレはわめき散らすこなたに一喝すると家を出た。
「そういえば1人で登校するのは久しぶりだな………」
静かさよりも寂しさがさきにくるのはオレが弱くなったからか、それとも………
「まっ仕方ないか」
オレは呟くと歩き出した。
ちなみに今日に限ってかがみ、つかさやみゆきに会わずオレは1人寂しく登校した。