「でもね〜それが難しいんだよね〜だって鈍すぎるんだもん」

 わたしは机に置いてあるプレゼントに話しかけていたの。

 隣に聞こえたらダメだからわたしは小声で話す。

 この子はわたしの代わりにあの人の元に行くんだから、わたしの想いを込めておかないと。

 それにプレゼントを渡すのはそれだけが目的じゃないんだよ。



 あの人の喜ぶ姿が見たいから。



 きっとあの人は最初は驚くけど、いつもわたしを見てるような優しい目をして、ありがとう、って言ってくれる。

 それを聞くだけでわたしは幸せな気持ちになる。天国に登った気分を味わえる。

 うん、やっぱりわたしあの人のことが好きなんだ。

 改めて思うとすごく恥ずかしい、でもすごく幸せ。

 みんなもそんなこと今思ってるのかな? なんてそんなことあったらテレパシーだよね〜♪



「よっこいしょういちっと」

 わたしは掛け声をひとつしてイスから立ち上がる。

 場所はベッド、明日のことを考えてもう寝ないと、肝心の場面で眠くなってきたら意味がないから。

 でも肝心の場面がもしきたらきっと眠気もふっ飛んじゃうと思うけどね。

「おやすみなさ〜い」

 枕元にはプレゼント。

 こうしておけばこの子がわたしの気持ちをもっともっと吸収してくれる、今決めたの。

 それにこうしておけば夢の中でもあの人に会える、これも今決めたの。



 わたしだけのおまじない





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