「アホらし」

 私は自嘲の言葉を呟くと手に持っているプレゼントを机に置く。

 こんなものは想像するだけ無駄なのだ。

 そんな事はないという事は、嫌というくらい分かりきってるし、そんな簡単に事が運べば私達の戦いはとっくに終結を迎えている。

 でもかといって、プレゼントを渡さないという選択肢はない。

 そもそも自分だけプレゼントを持っていかないなんてライバル達に、私はこの戦いから抜けますという事を宣言している様なものだ。

 ただで勝ちを上げるほど私はお人好しじゃないし、だいたい私は負けず嫌いだ。



 あいつの中では私達には差がない



 大切な人



 あいつの中で私達の位置付けはこれだ。

 あいつの中で私達四人は他の人達は違って特別な存在だという事は分かっている。

 それは自惚れでもなく、五人とも分かっている事、事実なのだ。

 でもあいつと私達ではその後が違う。

 あいつの中で私達四人に序列はない。

 でも私達はあいつの横を独占したい。

 すでに私達はあいつのOnly.1にはなっている。

 私しか知らないあいつの顔、私達は自分だけにしか見せないあいつの顔をそれぞれ知っている。

 だからこそ今の自分の位置が歯痒い。



 だから行動を起こす、自分の今の位置から抜け出せるために。





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