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「寝られん」
目を瞑れば明日の光景が次々と、それこそ終わりなく広がる。
まさしくエンドレス。もう八回以上は見てる。
まあ、悪夢じゃないから全然マシなんだけどさ。
「羊が一匹、二匹………」
仕方なくわたしはベタな方法で眠りに入ろうとする。
寝ないと、明日は勝負所なんだから………。
「……シンが三十五人…ってちょ!」
気付いたらもふもふの羊が赤目のツンデレボーイに変わってる!?
「ん…もう………」
わたしは取りあえず寝るのを諦め、手探りの中枕元に置いたプレゼントを手に取る。
どうせ当分寝られそうにないんだし、明日どうやってこれを渡すか考えるかね。
潤んだ目で言うとか…冗談と思われそうでダメだな〜かといって普通だと、今までと一緒で進展なし………。
こういう時は下に選択肢が出てるはずなんだけど、あいにくの暗がりで全く見えない。
なんとかわたしの気持ちを伝わる方法を…あっ………。
「だめだねーまたやってるよ」
わたしは軽く自分の頭を小突く。
そういう自分勝手なことでこれまでに何度も青汁を飲んだはずなのにね。
ただ伝えたらいいんだよ。
ただ生まれてくれたことを、わたしの世界にきてくれたことを、わたしと出会ったことを、その想いはきっと伝わる。
そうしてきたはずだよ、私もみんなも。
だから
私はプレゼントを上に掲げる。
言う言葉は一つ。
「誕生日おめでとう」
〜 f i n 〜