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「ふわぁ、もう朝か」
「やっと起きたか。今日は遅いな」
そう言われて、時計をみると朝の7時、確かにいつもより1時間以上遅い。
「別にいいだろ。今日は日曜なんだし…それにこなた達もまだ起きてないって」
「ふむ、確かにそうだな…だが日曜だから朝寝坊するとは少し前のお前からだと想像できないな」
「ハハッ、そうだな」
それもこれもあいつ達と会ってからだ。最初の頃はユルくなってると言われるのが嫌だったけど、今はそれが心地よくなっている。
……って、さっきからオレは誰と話してるんだ?
疑問に思ったオレはベッドから身を起こす。
「なんだ、やはり起きるのか?」
声がする方を見やると、椅子に座っている男の姿を確認する。
それはオレのよく知っている顔だったが、絶対にこの場所にはいないはず人物だった。
「レ、レイ………?」
「久しぶりだなシン」
「えーと…オレは寝ぼけてるのか?」
そう言いつつオレは改めて、座っているレイを見る。
一瞬こなたあたりがドッキリを仕掛けてるとも思ったが、変装にしては完璧すぎる。
「いや、違う。これは夢ではない。現実だ」
「でも前会った時、お前は死んだって言ってたよな?」
「ああ、俺は死んでいる」
「…………。うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
オレは悲鳴を上げつつ、部屋を飛び出す。
死んでたと思ったら、生きてたなんて事ではいまさらオレは驚かなかったはずだ(なんといっても2回もそんな経験があるのだから)。
ただ、自分から死んだっと言ってるし、幽霊の類は否定できない。
別に幽霊とかの類が怖いわけではないが、朝からこれはやや刺激が強い。
しかも、昨日の今日で話題に出て、今オレが会いたかった人物であるレイがいきなり現れたらそりゃ嬉しいだろう。
何をいってるのか分からなくなってきたが、要するにオレはパニクったのだ。
「こなた、かがみ、大変だ、レイが、いきなり、オレの寝室に、久しぶりとかいって!」
だからオレは不覚にもノックをせずにこなたの部屋に入り込んだ。
「むにゃ〜…」
「なんの…騒ぎ………」
「だから、大変なんだ! レイが霊で例のごとく枕元に………」
オレはこなたとかがみの姿を見て我に返る。
そろそろ本格的に夏に入ろうかという今の季節に、ベッド1つに2人で寝るのは暑かったらしく上の布団はめくれ、
こなたはパジャマの下がずれてて、下着が見えかけてるし、かがみは、上のボタンをはずしてるため、胸元がかなり開いていた。
そしてその事に2人もオレも今気付いた。
「ちょ、ちょっと! シン!! どこ見てんの!?」
「あ、あんたねーあれほど入ってくんなって言ったでしょうが!!」
「まて、ち、ち、違う!! そう見えるがこれは断じて違う!!」
もちろんそんな言い訳が2人に通用するはずなく、オレは朝から問答無用の私刑をくらう事になった。