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「ただいま」
「ちょっとシン、どういうこと?」
みゆきとつかさを送ってから、家に帰ってきたオレを待っていたのは膨れ面のこなただった。
「今日かがみと一緒にアキバに行こって決めてたじゃん。なんでいなかったの!?」
「なんでだろうなー?」
その約束は前々からのものだったし、昨日もそれが話題に出たから、事だしはっきりと覚えてる。
だけど気付いたら、辺りは真っ暗でオレは駅前近くの公園にいた。
記憶障害にでもなったのか?
「……かがみ怒ってたか?」
そりゃあ、約束をすっぽかしたんだから、怒るよな。明日何を言われるか。
「もち! ……と言いたいところだけど、そんなに怒ってなかったよ。
なんか、かがみもわたしも今日はしょうがないかって雰囲気になってさ」
「そうなのか」
今日は周りでなんだか珍しい事ばっかり起こる。
偶然ってのは重なるもんだな。
「ついにあれだねー、シンいらない子扱い♪」
ただやっぱり変わらないところもある
このやり取り、これがない世界がもう今じゃ考えられない。
ただ、こなたの発言を許すか許さないは別問題だ。
「ちょ、ちょっと、シン無言で……、いぎぃ、やめへー、こめかみは、ら、らめぇ〜―――」
こなたの断末魔が家の中に響いた。