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「よしレイ、じゃあ次は対戦ゲームで勝負だ!」
「いいだろう。お前とは一度決着を付けたいと思っていた」
「なんだよ? インパルスのパイロットに選ばれなかったのを根に持ってるのか?」
シンの軽口に笑みを返して、ふと明後日の方を見る。
「ん?」
その時ある人影が、こっちを見ている事に気付いた。
人影は俺の視線に気付いて、慌てて隠れる。
やはり気のせいではないのか………。
あの人影は俺も知っている顔だった。といってもあっちは俺の事を知らないだろうが。
しかしそれならば何故シンは気付かない?
待てよ、シンとあの人影の関係は………
自分では気付いていないがシンは親しい人物になると、簡単に背後を取られる。
どうやら無意識に背中を見せてもいい相手を判断できるらしい。
もっともそんなシンのセキュリティを突破できる人物は十にも満たない………。
一つの事象が次々と頭の中で繋がっていく。
明らかに俺達を捉える視線
それなのに全く気付かないシン
そして見覚えのある人影
その人影とシンとの関係
これらのものから導き出される答えは………
「なるほどな」
別に捕まえても良いが、放って置いても何も問題はない。
恐らくは俺とシンの関係を見て、不思議と思っているだけなのだろう。
「どうしたレイ?」
「なんでもない、気にするな。俺は気にしない」
俺はそう言って少し先で止まっているシンに追いついた。