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「おはようございます」
卒業式用にチェーンアップされた学校の門には、すでにみゆきが待っていた。
せっかくなんだし、この日は皆で門をくぐるということになっていた。
そういうのは女が好きそうだな、と思ってただけど、いざ当日になると悪くない気分だ
この門には色々な思い出がある。
笑って出たり、本気で走って出たりと、その思い出の中は誰かとの思い出がある。
「色々あったね〜」
「そうですね」
オレと同じような思いが浮かんだのか、4人とも門の方を遠い眼差しで見ている。
「皆、世話掛けたな」
オレの言葉に、なぜか4人は不思議そうにオレの方を見てくる。
「なんだよ、オレが言ったら似合わないのかよ?」
「ううん、わたしの方こそいっぱい迷惑掛けちゃったね」
つかさの笑顔にオレは頭を撫でて返す。
「ほんと今更よね」
「はい」
お互い様、できればこんな関係がずっと続けれたら
「じゃあみんなそろそろ行こっか
未来を作るのは運命じゃないよ」
「こなちゃん、かっこいい〜」
「なんだよ、それ?」
「どなたかのお言葉ですか?」
「最後の最後まであんたはそれか」
オレ達は笑いながら高校生活最後の門をくぐった。