3
というわけで最後の日くらいは、オレ達の方が早いと思ったけど、どうやらそうはいかなかったようだ。
いつもの集合場所にはかがみとつかさがもう待っていた。
ここで集合するのも今日で最後。そう思うと感慨深いものがある。
「シンちゃ〜ん!」
あっちも卒業式を迎えていつもと違うのか走ってオレ達の方に向かってくる。
そして経験上、そういう時は大抵アレが起こる。
「あっ!」
予想通りつんのめるつかさ。
しかしオレは冷静だ
ここまでは予測範囲内。
だからいつもみたいについパルマしつつ、助けてしまうなんてことはない。
パルマをしないように、オレはつかさを包むように受け止める。
「大丈夫かつかさ?」
「えっ? う、うん………」
つかさはオレの問いになぜか顔を真っ赤にして頷く。
「どうしたんだよ? 今日はなんもしてないだろ?」
「しとわるわ! この変態がっ!!」
優しく笑いかけているオレの顔面に、鞄ラリアットが喰らわせられる。
「かがみ〜! 何するんだよ!?」
「パルマよりも凄いことしてるのに、どの口がほざくのよ」
「オレのどこがそんなことしてるんだよ!?」
「そうだね、とりあえずつかさを離してからそれを言おうか」
こなたの言葉に沈黙、そしてつかさと目が合う。
恥ずかしそうにしてるつかさ。
そこでようやく、つかさの小さく柔らかい体の感触が手を介して、意識へ届く。