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返信はすぐに来た。
三人も私と同じでどっかに嫌な予感がしてたのか、特に何も聞かなかった。
私は数度メールでやりとりし、各自の役割分担を決める。
「お姉ちゃん」
私が柄にもなく緊張したふいんきだったから、ゆーちゃんがおずおずと尋ねる。
「お兄ちゃんに、何かあったの………?」
「あ〜、ん〜………」
今にも泣き出しそうなゆーちゃん。
実はシンが元の世界に戻るかもしれない
なんてことは言えるわけがない、ゆーちゃんはそもそもシンが異世界から来たことを知らないし、
そんなことを今言えば倒れるルートが確定だ。
「いや〜シンがさ卒業式の時黄昏れてたからね〜、ほらシンって結構ヘタレだから、ちょっと心配かな〜って」
なんとか普段通りのわたしの顔になって、本当のことを言ってないけど、嘘も言ってない発言をする。
ゆーちゃんもそれで安心したのか、今度は真剣な顔になって小さく頷く。
「うん、わたしもみなみちゃんやひよりちゃんや、他の一年生の人にも聞いてみる」
「じゃあよろしく。わたしはちょっと近所を見てくるよ。
案外プラモ屋に行ってるだけかもしれないし、後入れ違いにならないように、ゆーちゃん留守番お願い」
「うん!」
重大な使命を与えられた後輩キャラの様に頷くゆーちゃん。
そう、ゆーちゃんもシンをお兄ちゃんと家族と思ってるんだよ
そして私やつかさやかがみやみゆきさんはきみのことを
そんな想いを踏みにじるの?
きみは結局なにも変わらなかったの?
私達との生活はただの無駄な時間だったの?
違うよね
私は高速の異名を与えらそうな速さで家を飛び出した。