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自分の部屋で持ち物の最終確認をおこなっていると、後ろに気配が生まれる。
「いや〜相変わらずラックステータス低いね〜」
ドアにもたれかかってるこなたを一瞥して、オレは再び鞄に物を詰めていく。
「とっとと寝ろ」
「冷たっ!」
センター試験を受けないこなたは、昨日今日とオレに遠慮なく徹夜でゲームをしていた。
そんな奴になぜ暖かく接しなければならないのか。
「いつもより言葉の刺が五割増し」
こなたの言葉に小さく呻く。
全く自覚がないわけじゃない、でもオレ的にはいつも通りのつもりだった。
でもやっぱりそうはいかないらしい。
「今日は試験日だから、カリカリしてるで通用するだろ」
「うん、他の人にはね」
私達には通用しない、暗にそう言っているこなた。
今日の試験、オレはオレの過去を知ってる2人の人物に出会う。
その2人にきっとオレはいつも通りに接することはできないだろう。
そして、きっと2人はオレのその態度に怒るとか、呆れるじゃなくて、きっと傷つく。
それはオレにとっては絶対にしたくないこと。
でもこの沸き上がる、冷たい気持ちを抑えることは今のオレにはできない。
「どうしたらいいと思う?」
「んー、取りあえず深呼吸したら?」
こめかみを抑えながら、目を細めて答えるこなた。
どうやらオレはかなり感情を抑えられていないみたいだ。
「まあかがみとみゆきさんなら、きっとなんとかしてくれるからシンはそのままでいいんじゃない?」
「オレのプライドは?」
「そんなもの元々壊れまくりじゃん♪ ……ってダメ! 顔面パルマはイタイタイ!!」
手を叩いてギブアップを訴えてくるこなたを少ししてから外してやる。
ちょっと力を入れすぎた気がするけど、今日という日にオレをからかうのが悪い。
だけどこなたは頭を抑えながら、でもいつもユル〜イ顔でこっちを見上げてくる。
「どう? ちょっとはマシになった?」
「その言葉がなければな」
こなたの言った通り少しは気分が晴れた。
自分でもすごく単純だと思う。
なんかオレはいつもこいつ達の掌で叫いてるだけな気がする。
「大丈夫、シンもレベル上がってるよ
もしこの世界にやってきたシンなら、わたしの頭は北斗神拳を喰らったみたいになってるから☆」
「知るか」
オレは鞄を手に取り玄関に向かう。
さぞかしこなたはオレの背中に生暖かい視線を送っていることだろう。
なんて単純なんだオレは
こなたの言葉にまた少しだけ気分が晴れたのだから