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「ぶっちゃっけ、ってどういう意味よ?」
『konakona』の発言に『ツインテ』が疑問を挟む。
「早い話、シンを落とせる算段がついた? ってこと」
「それは暖簾に腕押し、糠に釘といいましょうか………」
『天然萌え』が諺を駆使して答えるが、なんということはない、要するにシンの攻略法が見つかっていないと言ってるのだ。
「こな…『konakona』ちゃんはそんなのあるの?」
「ない」
『ドジりぼん』の質問に『konakona』は自信満々に自分のステータスである胸を逸らして答える。
「だいたいそんなのがあったらこんなことにもなってないと思うけど」
『ツインテ』が冷ややかな目で『konakona』を見る。
「ふふ、あわてなさんな『ツインテ』。今のは確認だよ〜。皆シンが自分に心が傾いてるっていう手応えがない、でおkだね?」
『konakona』の発言に悔しいが頷くことしか出来ない三人。
「まあそれはわたしもそうなんだけどね……そこで! わたしはこういうものを用意したのだよ!!」
『konakona』は後ろに隠していた手を出す。そこには一本のビデオテープが握られていた。
「……その中には何が収められているのですか?」
『天然萌え』の問いかけに『konakona』はニヤリと笑う。
「これはわたしのお父さ…もとい! 諜報員『カモン・マイロード』がシンの今の心境を語ったビデオなのだよ!!」
「じ、じゃあ、その中に………?」
「シンが私達の誰かを好きかも………?」
「わたしも内容はまだ見てないけどね〜。どうする? 見たくない人は席を立ってもいいよ」
『konakona』はわざとらしく三人を見渡すも、席を立ちあがる者はいない。
皆分かっているのだ。ここで席を立てばそれはシン争奪戦から脱落することを意味するということに。
「じゃあみんないいんだね? 映すよ?」
『konakona』の再度の念押し、三人とも決意のこもった目で頷く。
『konakona』はそれを確認するとビデオの再生ボタンを押した。