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「しっかしほんとによく分かったわね」
「お姉ちゃんもきっと触れられたら分かったと思うよ」
つかさのフォローに、自分がシンに触れられる可能性はパルマというなの突発的事故だけだということに、
甘いポッキーを苦い顔でかじるかがみ。
全然ロマンチックじゃない
いや男からしたらそうなのかもしれないが
「それにお姉ちゃんも分かってたんでしょ?」
「ううん、疑いはあったけど確信はねーやっぱり今日のはつかさの勝ちかな」
悔しそうにするものの恨みにもってる様子はないかがみ。
ライバルではあるけどあくまで二人は双子なのである。
「えへへ」
そんな認識が互いにあるからこそ、つかさも素直に感情を表現することができる。
「でもね」
「ちょっと残念、でしょ?」
妹の口にポッキーを入れかがみが言葉を続ける。
つかさの方ははむはむと噛みながら頷く。
「女の子だったしね」
「……うん」
中身はシンとはいえ、その格好は紛う事なき美少女アスカ・ラングレー。
シチュエーション的には良かったのだけど思い出すと色々と微妙である。
「可愛かったねシンちゃん」
「そりゃ遺伝子レベルだし」
まさしく先天的な顔立ちに肌の白さ、ただ後天的な性格が問題ありなのだが、その性格に惚れてしまったのがもっと問題である。
「あれって化粧してた?」
「うん、多分……、今度聞いてみる?」
「いや、それは女としてのプライドが………」
「……だよね」
ここで同時に溜息。さすがにいつも一緒の双子である。
「でも」
「うん」
そしてこれまた同時に笑顔になる姉妹。
「シンちゃんのこともっと知っちゃったね」
「ほんと、こんだけ知ってあげてるのは私達四人くらいよ」
深まる自信。
自分達とシンの間にまた一つ、繋がりができた。
それだけでも今日はとても有意義な満足した日と二人には言えた。