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「ああ、終わった………」

「うん、やっとバイト終わりだね〜今日は長かったー」

「……ああ、そうだな」

 こなたのボケにシンは突っ込む力もなく、溜息と共にロッカーを閉める。



 この部屋を出れば三人が待っている。

 そして待っているのは別れ。

 今までの全てがなくなる別れ。

 それを思いシンの足取りは重い。



「ほらほら、つかさ達が待ってるよ〜」

 急き立てるこなた、いつもとは真逆である。

「あんたに今のオレの気持ちが分かるもんか」

 恨めしげな視線をシンはこなたに向けるが、それは八つ当たりというものである。

「あんたがこんなバイトに誘わなければ………、あんたさえいなければ………」

 そもそもこなたと出会わなければ、三人と知り合うことさえなかったのには、完全に理の外である。

 それだけ今のシンは追い詰められた状況にあるといえる。



「はいはいって……今にも種割れしそうだね〜」

 しかしこなたは動じることなく、シンの八つ当たりをかわす。

 これくらいで動揺していたらシンのお守りは務まらない。

 もっともそれをシン本人が聞いたら、今度こそSEEDの因子が発動するであろうが。



 階段でビルを出ると、そこには制服姿の三人。

「うっ………」

 それを確認しシンは呻く。

 どんなに巨大な敵だろうと、どんなに強い相手でも怯まなかったシンが、前に出るのを躊躇う。

 逃げ出したいとさえ初めて思うことであった。



「ほらほら♪」

 そんなシンをこなたは手を持ち引っ張っていく。

 別にこなたはシンと三人の関係を壊れるのがみたいわけではない。

 こなたは分かっているのだ、三人がシンに対してどういう答えを出すのか。

 そしてそれを踏まえシンの狼狽ぶりを見るのは楽しいものだった。





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