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「ホントなの………?」
しかしかがみが出した声はシンの予想とは違ったものだった。
その声は驚きというよりも、かがみ自身もどこかでそう感じていたという風だった。
「……どこで分かったんだよ?」
言い逃れが出来ないと判断したシンはあっさりと白状した。
仕草も声も完璧だった。現に三人は疑惑の目すら見せなかった。
それなのにつかさに見破られたのがシンにはどうにも解せなかった。
「……うん、頭を撫でられた時、この感じはシンちゃんだな~って」
シンがつかさの頭を撫でるのは反射的なものといえる、理性や理屈ではないもの。
そんな何回もしてきた動作は癖を消しにくく、またシンが思っている以上につかさの頭にではなく、心にしっかりとインプットされていた。
「そっか………」
失敗したとは思わなかった、あの時つかさを安心させるにはシンはアレしか方法が無かったのだから。
「つかささん凄いです。
私も一瞬はそう考えたのですが、まさか女の人になるなんて思っても見ませんでしたから、頭が固いですね」
自分を恥じ入るみゆきの言葉に、シンは目をパチクリ。
「いや、なんとなくだけどね、さすがに私達のこと知りすぎだったし」
シンの様子を見てかがみが解説を入れる。
ただ確信がなかったのと、状況のせいで今まで聞けずにいた。それに気付かなかったのはシンだけ。
それに気付いたシンは手を額に乗せる。
これでは完全に道化である。
そもそも小手先で騙せるほどの仲じゃないと思っているのはシン自身。
「で、どう思った?」
嬉しいと思う反面にシンは怖かった。
この関係が今まさに壊れるかもしれないのだから。
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