「オレ花見の場所見てくるから」

 そう言ってシンは学校が終わると同時に駆けていった。

 あんなに不満一杯だったのに、やり始めたらヤル気満々。

 もともとこういうイベント事が好きなのか、それとも案外責任感が強いのか

 なんにせよ

「ぬかったわ!」

「何が? というか唐突に大声出すな」

 相変わらず自分の仕事を全うするかがみ。

 だけど今はそんな職人芸を堪能している場合じゃない

「シンにお花見を任したお陰で、わたしと全然遊ぶ時間がないじゃないか!」

「知るか!」

 とはいうかがみもシンが先に帰ったので若干不満そうである。



 シンはきっとお花見の土曜までは、バイトと花見の下調べで忙しいだろう。

 ということは必然的にわたしとシンの遊ぶ時間も減るというか、ないのではないだろうか?

 かといって押しつけた形になってるために、無理矢理にシンに時間を作ってもらうのにもさすがに気が引ける。

 ここまで計算してなかったのはわたしの完全なるミステイク



「諦めなさい、どうせ少しの辛抱なんだから」

 かがみの相変わらずばっさりしたご意見。

 かがみもわたしとは似たような考えをもっているはずなんだけど、そこらへんは我慢強い。

 日頃はわたし以上にシンとぶつかってるのに、ここ一番でのシンへの信頼度は異常。さすがツンデレ。



「確かに少し慣れないですが、シンさんがあれほどを張り切っておられますから」

 そういえばみゆきさんが言うように、シンがわたし達内で何か計画を仕切るのは初めてだ。

 だからあんなにやる気MAXだったのかもしんない

 なんにせよ、シンが進んで事を起こしてくれるのは単純に嬉しい。

「しゃーない、少し我慢しょうか」

 わたしは両腕を頭の後ろに組んで歩き出し、みんなも続いて歩き出す。



 なんだかんだでみんな期待している

 シンと、みんなでするお花見を





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