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 珍しくあやのを急かして登校したわたし。

 だってなんかうずうずすんじゃん!



「あれ〜」

 だからきっと誰よりも早く学校に来たと思ったら………



「お二人ともおはようございます」

「おはよう、高良ちゃん、岩崎さん」

 もうすでにいるし………、やっぱこの二人なんでもできんだなー

 まあこの二人に負けるのはしゃーないか



「で、なんでお前ももういるんだよ!?」

「ええ!? どうしてワタシ怒られてるんっスか!?

 ちょっと部活の関係で早く来ないといけなくなって」

 まさか田村に負けるとは…順位にすると四位か、全員で十人だから…微妙〜



「えーと、な、なんかすみませんでした」

「いいって、勝敗は時の運だ、気にすんな」

 それに考えたら今の順位でも柊、ちびっこ、ウサ目には勝ってる。

 だったらもう充分じゃねえか!



「おお〜みんな早いね〜」

 わたしがすげえいい考えが閃いてる間に、ちびっこ達がやってきた。

 相変わらずちびっこはだるそうだな〜



「遅かったな、ちびっこ、ウサ目、小早川!」

 わたしは門を背にして三人の前に立ちはだかる。



「あっ、どちらさまでした?」

「ヴぁ!?」

「オレ達学校に行きたいんですけど」

「お前らまだわたしのこと覚えてなかったのかよ!?」

「みさちゃん、二人ともからかってるだけだと思うけど」

「なに!?」

「ごめんなさい、日下部先輩、チアの発案者のわたしが遅れってしまって………」

「いっ!? いやいやいや、気にすんな小早川!」

 ぬわっ! 攻撃したつもりが三倍になって帰ってきたぞ!

 こいつら恐ろしいぜ!



「てか校舎に入らないのか?」

 ウサ目の言葉になんとなくみんながそれぞれを見渡す。

 確かに言われたらなんで誰も校舎に入らないのか、不思議ちゃあ不思議か。

 まあわたしの理由は



「こういう時はみんなで門をくぐった方がいいと思ったからな〜」

「うん、でもまさか皆も同じ考えとは思わなかったね」

 あやのの言葉にウサ目以外の全員が頷く。

 ってそうだったのか! でも相変わらずウサ目はそういうところが分かってねーな



「なんだよその理由」

「じゃあシンだけ先に行っててよ」

「ぐっ………」

 ちびっこのナイス攻撃によって怯むウサ目。

 こりゃあ追撃のチャンスだぜ!



「あっ、つかさ先輩とかがみ先輩だ」

 小早川の言葉に振り向くと、確かに二人の姿が見えた。

 あっ、柊の方は自分が最後って分かって、『げっ』ってなってる

 こっちも攻撃の大チャンスだぜ!



「こりゃあ迷うね〜」

「おう!」

 獲物二匹の前にわたしとちびっこは舌なめずりをしたもんだ





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