皆とお別れして、今はみさちゃんと二人だけの帰り。

 それは凄くいつもの事のはずなのに、今日は凄く寂しく感じる。



「いよいよ、明日で終わりなんだよね」

「ああ! これで本当に、明後日から勉強付けの毎日だ」

 大きくため息を付くみさちゃん。

 みさちゃんの前では明日の大きな事も、小さな事みたい。



「でも確かに寂しいよなーせっかく部活以外の一年生とも仲良くなれたのにな〜」

「そうだね。でも泉ちゃんと遊んでたらまた会えるんじゃない?」

「甘いぜあやの、あのちびっこがわたしを家に招待すると思うか?」

 う〜ん、普通に言えば頷いてくれると思うんだけど…泉ちゃんはどんな人とでも仲良くなれるし。

 それにみさちゃんと泉ちゃん、今回のチアでは二人で柊ちゃんとアスカ君をからかってたし、仲良くなったはずなんじゃ



「アドレス交換してるんだから、直接小早川ちゃんとかと連絡を取ったら?」

「いや、さすがにちびっこがいねえと間がもたねえ気がする」

「ふふ、泉ちゃんってそこらへんの気配りが上手いもんね」

「う〜」

 どうしてそんな悔しそうな顔をするんだろう?

 でもみさちゃんが寂しがるのは良く分かる。

 だって一年生の子達は本当に良い子で可愛い子達だもん

 またああやって集まって、おしゃべりしたい。だから明日は絶対に失敗したくない!



「……みさちゃんは緊張してない?」

 だから自分がミスをしてしまうのが怖い、運動にはあんまり自信が持てないから

「あんまりだな。だからあやのも気にしなくていいゼ」

「みさちゃん………」

 私はみさちゃんみたいに、プラス思考じゃないんだけど………

 文句を言おうかどうしようか、考えているうちにみさちゃんが私の前に回りこむ。



「あやのの隣にはわたしがいるからな、だから安心しろ!」



 暗くてよく見えないのに、みさちゃんが笑ってるのが私には分かった。

 それは小さい頃からずっと私を引っ張ってくれてる時の顔だから

 みさちゃんが私を連れて行ってくれるのはいつも楽しいところ

 そして今回もみさちゃんが私の横で私を引っ張ってくれる。



「安心したか?」

「うん

 みさちゃんが女の子で良かった」

「ヴぁ?」

「男の子だったら、私選べなかったかも」

 みさちゃんにあの人、二人とも私の心を満たしてくれる人。

 どっちも大切な人



 だけどみさちゃんはなぜかがっくりと肩を落とす。

 そして恨み口調で一言。

「わたしはアニキみたいなんと同等かよ〜」

「そっち!?」 『未定』 75


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