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「やふ〜やってるねお二人さん」
「何よ、急に見に来るなんて…ってシン!?」
「よ、よう」
まだ今ひとつ状況が理解できてないらしく、つかさとかがみに対してぎこちない挨拶を返すシン。
そしてわたしを見る真っ赤な瞳は説明しろっと訴えてきている。
「こなちゃん、秘密だって言ったのに………」
「秘密…なんでだよ」
この場にいる全員がわたしに視線を向けるのはちょっと気持ちがいいけど、
とりあえずは秘密にされてショックを受けてるシンから、説明しなければならない。
「この練習、まあつかさの秘密の特訓なんだけど、シンに話したら………」
「もちろん手伝うに決まってる!」
「だから言わなかったの。あんた全体のスケジュールと練習メニュー考えてるんだから、これ以上負担を掛けたくなかったの」
「そうだけど………」
かがみの言葉からわたし達がシンのことを思っての行動とは理解したのだろうけど、まだ納得はできていない様子のシン。
とはいえわたしが時々夜に柊家に行ってるのは知ってるし、
つかさが授業中に落ちてるのが増えてたから、ちょっと勘がよければ分かると思うんだけど
やはりシンはこういうことの勘はまるでダメらしい。
「……ごめんね、シンちゃん」
「い、いやオレの方こそ、そ、そのごめん」
「えっ?」
つかさの謝りに、シンも謝って返す。
シンはつかさのことをなにもできない女の子と見ているふしがあるから、
きっとそれに対して間違っていたという意味での謝りだったんだろう。
とはいえつかさがショックを受けるからそんなことを今ここで言えない。
かがみも事情を察してか、微妙な顔してるし。
そこらへんはシンが気付いてくれたらいいんだけど………。
「でなんでシンを連れてきたのよ?」
「ん〜まあフォーメションに煮詰まってるシンの気分転換…よ〜するに誰をどこに配置しようがそこそこやれるよって」
「なんだ、その微妙にひっかかる発言は………」
わたしの真実半分の話にかがみはジト目でこっちを見てきた。
そして帰り道、シンはしばらく何も話そうとしなかった。
怒っているのか、考えているのか、はてさて
「でシン、フォーメションは決まった?」
とはいえ沈黙というフィールドは好きではない。
家から三分の一地点でわたしはシンに声を掛けた。
「ああ、まあさっきよりも具体的にな」
「だったらつかさのチアダンスを見たげたら良かったのに」
「今は補正が掛かってるからな」
皮肉で返すところを見ると、やっぱり秘密にしてたことをちょっと怒ってるらしい。
「でもありがとな、つかさが頑張ってる姿が見れたし」
「でしょ、だから前列に置いてもいいんじゃない?」
「それとこれとは別だ。オレはあくまでも冷静に、1番上手くできる配置でつかさがそこ必要にかもしれないって考えてるだけだからな!」
「ぶふっ!」
シンの冗談とは全く思えないヒドイテンプレの言葉にわたしは噴出す。
そして次の瞬間にこめかみを押さえられた、わたしの悲鳴夜の街にこだました。