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文化祭準備期間中とはいえ日曜日だと、まだ日が落ちきっていない夕方までしか校舎は使えない。
だから後片付けはゆたかやかがみ達に任せ、オレはダンスリーダー達との打ち合わせに入る。
「どんな感じだった?」
「一日だけじゃなんとも」
こなたの当然の意見。確かにすぐに効果が出るようだったら苦労はない。
しかし出るか出ないか、せめて感触だけでも聞いておきたい。
「まあ楽しかったんじゃね? あんま知らないやつと話すのも新鮮だったしさ」
「確かに今日の初めと比べるとそうかもしれないけど………」
かがみもひより相手に結構ツッコムようになってるし、チラッとしか見てないけど最後らへんはどこのグループも結構会話が弾んではいた。
だけどそれがダンスの練度が、上がるのはまた別な気もするしな。
「……いつも練習してる人と間違うポイントが違ってて、自分でも改めてそこの部分を見直したりして、意味はあると思います」
「1番年下のみなみが1番意見言えてるな」
「ウサ目ーっ!」
「我々を見くびってもらっては困る!」
『わたしたちは本気を出していないだけだ!!』
「いや、だせよ」
一体いつ打ち合わせをしたんだか、ポーズまで揃えやがって
とはいえ、他人と関わるのが得意ではないみなみが効果ありと判定するんだったら、あるんだろう。
こなたもみさおからも反対意見自体は出してないし。
「じゃあ、こういう形の練習も入れてくか
今度からのグループ分けはゆたかと相談しておく」
「で、シン。ダンス立ち位置の方は?」
「ああ、うん………」
「なんだよ、微妙な返しだなー」
3人が推察の通り今日の練習時間の半分を費やしたにも関わらず、これといったフォーメーションの組み合わせが決まってない。
チアダンスは前列と後列の2列。
前列の方が人に見られるポジションだし、後列が前列に合わせて踊るんだからやっぱり踊れるやつがいい。
無難にいけばダンスリーダーの3人が適任なんだろうだけど
「とりあえず、こなたは前列の真ん中」
「なんでわたしだけ!?」
「低いから」
「ぐぬぬ」
そう問題はこれ、身長差だ。
上はみゆきの166から下はゆたかの138とかなりの高低差がある。
適当に決めたら全く見えなくなってしまうやつも出てきてしまう。
頑張って練習に励んでる姿を見ているオレとしては、それは絶対に避けないといけない。
そしてこれにダンスの個々の上手さが絡んでくるから、余計にややこしい。
「……私達も考えましょうか?」
「取りあえず今日でオレがざっくりとしたのでも考えてくるから、その後で調整ってことでやってみるか」
「じゃあ、そん時はゆーちゃんも同席してもらおうよ、代表なんだし」
「そうだな」
「そろそろ閉めるわよー」
ある程度の結論が出たところで、どうやら後片付け組の方もできたらしい。
オレ達は各自の鞄を手に取り、立ち上がる。