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「やっぱりリーダーがいないと微妙っスね………」
「そうね………」
ワタシの言葉にかがみ先輩がため息に混じりに答えたっス。
当初の予定ではこのグループの指導係はアスカ先輩だったんっスけど………
「う〜ん、う〜ん」
壁際でやたらとデジャブを感じる悩み方をしてるのは、そのアスカ先輩。
なんでもチアのフォーメーションを考えないといけないらしいっス。
だからこのグループはかがみ先輩を指導係でワタシのを見てもらうということをやってたんっスけど………。
「ごめんね、ちょっと細かいとこまでは合ってるのかどうか判断つかないし」
「いやいやいや、気にしないでください!」
というよりもそのレベルにすら達していないワタシ、リッミターがあるなら一刻も早く外れてほしい!
かがみ先輩の練習がほとんどできてないし………。
「そういえばシンってなんでこんな練習方法にしたんだろう?」
「『私気になります!』ですか?」
「あ〜そういえば田村さんってそっち系だっけ…いや、べ、別にあいつの考えとかが知りたくなったってわけじゃないから!」
はい、ツンデレいただきました!
ネタ帳に仕草を含め書き留めておきます
「少人数でやった方が練習しやすいからじゃないんですか?」
「まあ、そうなんだろうけど…もうちょっと理由があるんじゃないかな〜って」
言われて見れば確かに。今回のグループ分けもすでに決められてたし………。
でも分け方に法則性も見つかんないし
「かがみ先輩ってラノベ読むんですよね?」
「ちょっとよ、ちょっと! 別に新刊全部買ってるわけじゃないし、私は別にオタクじゃないし!」
オタクの境界線というやりがいのある討論をかがみ先輩としたいんっスけど、とりあえずそういう枠で括られてるわけでもないらしい。
そもそもそれだったら泉先輩がいないとおかしいし………
「ないのが法則………」
「やっぱり適当にに決めたのかしら?」
「いえ、それならもうちょっと偏ってもいいと思うんっスよね」
アスカ先輩を除けば、このチアダンスをやる以前に全員に顔を利く人はいない。
だからといってグループの分け方が
ワタシとかがみ先輩
小早川さんと高良先輩と日下部先輩
岩崎さんとつかさ先輩
泉先輩と峰岸先輩
「そうよね、不自然なくらいにどのグループも接点がない同士なのよね〜」
「だから、接点を繋げるために今回の形にしてみた………」
「何のために?」
「お互いを知らないといい仕事はできない!」
経験談、ワタシが遅筆だということを知らなかったサークルに、ゲストで呼ばれた時はもうええ、思い出すたびに………
「田村さ〜ん戻ってこ〜い」
「ハッ、す、すみません
と、とにかく! 今回の一件は互いに知らない人同士を繋げる為にしたんじゃないっスかね?」
「で効果はあるの?」
さすがかがみ先輩、噂通りのばっさりぶり