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「お返しにどうぞ」

「なんでもいいのかしら?」

 礼には礼、物には物それがフラグゲットへの第一歩。



「うん、ああドーナツはごめん、今マイブームだから」

「えっ、そうなんだー」

 峰岸さんが取ったのはチョココロネだった。

 それを取るとはやはり峰岸さん只者ではない。



「峰岸さん」

「なに?」

「チョココロネ頭から食べる、それともお尻から?」

 そういえば親しくなる人にはもれなく全員この質問をしている気がする。

 ということは峰岸さんとも

 わたしは勿論、ジンクスやフラグ、それ以外でも運命、宿命といった中二的なものは大好きだ。というより信じているといってもいい。



「う〜ん、改まってきかれるとどっちだろう………」

 他愛無い質問にも真剣に首を捻って考える峰岸さん。

 いい人なんだろうな。

 それに憂い気な表情にもどこか色気が漂ってる。

 わたしが男ならばほうっておくまい、ってそういや峰岸さんってリアル彼氏がいるんだっけ

 ということは…峰岸さんはリア充か。新たなライバル候補ではない、むしろお助けキャラ的ポジションか………

 間違いない、峰岸さんとは仲良くなれる!



「峰岸さん!」

「えっ、は、はい?」

「午後からの練習頑張ろ〜!」

「う、うん」

 戸惑いながらも素直に頷く峰岸さん。

 やっぱりいい人だ





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