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「ダメだ」
『早っ!』
ゆたかの説明を途中で遮ったことで、こなたとゆたかは不満気だけどオレは反対だ。
今度の文化祭で何かをやるのは結構だけど、その出し物が問題なんだ
「なんでチアダンスなんだよ!?」
「そ、その方が盛り上がるし、わたしもやってみたいし………」
「自分の体のこと分かってるのか!?」
ゆたかはお世辞を大分入れても丈夫じゃない。
確かに最近はゆたかの自身努力もあって改善の兆しが見られてきてるけど、それでも平均にはまだ及ばない。
そんなゆたかがチアダンスなんてできるわけがない
「むう、やっぱり予想内の展開だね」
「こなた、お前がいながらどうして!?」
暢気というのを通り越してユル〜イこなただけど、ゆたかに関しては違って何かと気に掛けてるし、
実の妹の様にゆたかを可愛がっている。
だからなのか、ゆたかの頼みごとを断れなかったんだろう。
だったらオレだけは情に流されたら行けない。ゆたかを守るためにも
「まあまあシン」
「言っとくけど、オレを言い包めようとしてもダメだからな!」
「言いくるめなんてしないよ、あなたは言葉を聴かないのですから」
「こなた〜!」
って待て、これはこなたの罠だ!
オレを怒らせて自分の有利な方に持っていこうとする、いつもの手段。
「シン、ゆーちゃんは本気だよ」
予想に反してこなたは身構えるオレに、落ち着いた口調で話してくる。
そこでオレは気づいた。ゆたかはオレが反対してからも下を向かずにずっとこっちを見ていたことに。
その瞳には情で訴えてくる種類のものじゃなかった。
あるのは真剣な熱意。簡単には曲げないという強い意思。
ゆたかがこれほどまでに自己主張してくるのは初めてのことだ。
それだけ本気ということなんだろう
「妹を保護するだけが役割じゃないと思うんだけどね〜お兄ちゃん?」
「くっ………」
確かにこなたの言うことも一理ある。
ゆたかの熱意も伝わってくる。
ただやっぱり現実的には無理としか思えなかった。
やってもいないのにと思われるかもしれない
だけどオレはゆたかの健康を取る。
恨まれてでも、オレはゆたかが倒れるのなんて見たくない。
「ダメだ、オレは絶対に許可しないからな! FAITH権限だ!」
「ちょ、それ過去の栄光!」
「うるさい、これで話は終わりだ!!」
オレは食いすがろうとする2人を無理矢理部屋の外に追い出した。