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言ったのは、今日が練習初日のはずのみゆきだった。
いくらみゆきでもこなた達のダンスをみただけで覚えたとは思えないけど………?
「……みゆきさんは、昨日私と一緒に」
「ああ、なるほどな」
みなみの言葉に納得する。
みゆきとみなみの家は近所、2人とも子供の時から付き合いらしいし、オレ達みたいに一緒に練習をしていたんだろう。
この2人で練習していたのなら、みなみがあれだけ踊れているのも頷ける。
とはいえ、あんまりみゆきには負担を掛けさせたくないんだけど………。
「でもなー」
「シンさん、お気持ちはありがたいのですが、今は皆さんを優先してください」
いつものみゆきより冷めた声にオレは体を強張らせる。
みゆきはオレ達の中で1番温厚で滅多に怒りを表さない。
そんなみゆきが怒気を発しているところからすると、どうやら特別扱いが過ぎたらしい。
「じゃあみゆき、悪いけど頼めるか?」
「はい」
「いやー助かるよみゆきさん教えるの上手いし」
「こなたは教えるの下手だからな〜」
「キミが言うな!」
相変わらず抜群のタイミングで、雰囲気を変えてきてくれるこなた。
これを狙ってしてないから凄い、オレとはつくづく真逆なんだと思う。
「ねえシン」
「ん?」
何も言わなくても3年生組と1年生組に分かれる皆とは逆に、かがみがこっちに近づいてくる。
「後で私にもダビングくれる? 私達だけ練習できないし」
「えっ、ああ………」
今の状況だとマスターをもってるひより、ダビングが泉家、みなみ、みさお、それぞれの近所のみゆきとあやの。
確かにかがみとつかさだけ、映像を持っていないことになる。
こんな簡単なことに気づかないとはどうかしている。
「シ〜ン、撮影用のビデオカメラは〜?」
「ち、ちょっと待て用意する! かがみダビングは変える時に渡すな」
「うん、お願い」
オレは急いで置いてある自分の鞄に向かう。
思ってた以上に裏方って忙しいし、難しいぞ!