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「なああやのー」
「なに?」
文化祭のクラス出し物の作業準備が一息ついたところで、隣でサポートし続けてくれたあやのに質問する。
授業の代わりの文化祭の準備、個人的には超嬉しいんだけど、珍しく今のわたしには引っかかってることがある。
「チアのこと、何か連絡あったか?」
「ううん、もう二日になるけど………」
取り合えずチアダンスの許可が出たのは柊経由で聞いたけど、それ以降はな〜んもなし。
あやのも知らないってことは、柊がわたしに伝えてないわけでも、わたしが忘れてるわけでもないということだ
でもぶっちゃけ時間はもうない。
ダンスなんてわたしたちは全員シロートだし、すぐにできるわけがないんだけど………
「柊ちゃんなら何か聞いてるんじゃないかな?」
「そうだなー」
毎日時間があればウサ目の方に行っているんだから。というかよく飽きないな柊も。
「いや、私も別に」
予想とは全く違った柊の答えにわたしどころかあやのまで驚く。
っていうか普通は柊ってこんなことしたら怒るんじゃなかったけ?
「でもまあシンだし、なんだかんだでまとめてきてくれるとは思うのよ……」
イマイチ煮え切らない態度の柊。
こんなのひいらぎじゃねえ!!
「でもまずくねえか、それ?」
「全然」
はい、いつものひいらぎ、わたしにはばっさりだ、ばっさり
というかうさ目のこと信頼しすぎじゃね?
あいつは時々ポカするゼ
とはいえ、それを言ったらわたしが今以上に怒られるかんな〜
「じゃあ分かってる部分だけでも聞きに行かない? そうした方がこっちも予定建てやすいし」
「そうね、ちょっと嫌な予感もするし」
なんだよ、どっちなんだよ!? それがあれか、ちびっこが言ってたツンデレか!?
絶対わたし相手だったら怒ってるくせにー! あやのの言い方が上手いのもあるんだけどさ、なんか釈然としねえぞ!