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「よいっしょ、こらっしょ」
今日はついてないかも………
帰る前におトイレに行ったら、先生に会って頼まれ事しちゃうし
しかもけっこう、重たい
分けた方が良かったかな?
でも遅くなったらお姉ちゃんたち心配させちゃうし………
「ふらふらだな」
「あっ!」
頭の上から出てくる手。
その手は私の持っている一部を持ってくれた。
「シンちゃん!」
「こんなに持ったらコケだろ? 普段からコケやすいのに」
「はぅ〜」
あの人はからかいながらも私の手の中にある荷物を、ひょいひょいと自分の方へと運んでいく。
あっという間にわたしの持ってたものは十分の一以下になっちゃった
「言ってるだろ? 困ったことがあったら呼べって」
「ありがとうシンちゃん」
「べ、別にお礼なんていいって、どこに持っていくんだよ?」
ぶっきらぼうに答えるあの人
これは照れてる証拠なんだよ〜
「え〜っと、家庭科室」
「じゃあほら、さっさと行くぞ」
そしてわたしとあの人は誰もいない廊下を、並んで歩いたの